漱石展のブロガー内覧会に行ってきた
芸大美術館で開催中の「夏目漱石の美術世界展」のブロガー内覧会に行ってきました。
http://www.tokyo-np.co.jp/event/soseki/
※会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
漱石と絵画といえば、、
『「あの松を見たまえ、幹が真直で、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね」と赤シャツが野だに云うと、野だは「全くターナーですね。どうもあの曲り具合ったらありませんね。ターナーそっくりですよ」と心得顔である。ターナーとは何の事だか知らないが、聞かないでも困らない事だから黙っていた。』(坊ちゃん、より)
程度しか知らなくて、ターナーの絵が展示されているのかなーくらいに思ってましたが、甘かった。
「吾輩は猫である」の装丁、橋口五葉がやってたんですね。かっこいいー、の一言。
第三章では、『草枕』『三四郎』『それから』『門』に関係する絵画が展示されています。
「ちょっとご覧なさい」と美禰子が小さな声でいう。三四郎は及び腰になって、画帖の上へ顔を出した。美禰子の髪で香水の匂がする。
画はマーメイドの図である。裸体の女の腰から下が魚になって、魚の胴が、ぐるりと腰を廻って、向う側に尾だけ出ている。女は長い髪を櫛で梳きながら、梳き余ったのを手に受けながら、こっちを向いている。背景は広い海である。
「人魚(マーメイド)」。
「人魚(マーメイド)」。
頭を擦り付けた二人は同じ事をささやいた。(三四郎、より)
ウォーターハウスの「人魚」、キター!
この一枚のためだけでも、本展覧会に行く価値があります。必見の一枚。
横を向く。床にかかっている若冲の鶴の図が目につく。これは商売柄だけに、部屋に這入った時、すでに逸品と認めた。若冲の図は大抵精緻な彩色ものが多いが、この鶴は世間に気兼なしの一筆がきで、一本足ですらりと立った上に、卵形の胴がふわっと乗かっている様子は、はなはだ吾意を得て、飄逸の趣は、長い嘴のさきまで籠っている。(草枕、より)
「草枕」に若冲が登場していたとは、全然覚えてなかった。うーむ、読み直そう。。「鶴図」は6/9までの展示です。
熱心に鑑賞するブローガーのみなさん。
そして、最後に漱石の絵。言われているほど、下手じゃないと思うな。
漱石は絵がすごく好きだったんだと思う。その気持ちが伝わってくる絵でした。
芸大美術館での展示は、7/7まで。
そのあと静岡県立美術館に巡回します(7/13~8/25)。お近くの方はぜひどうぞ。
- 2013年06月07日
- 東京藝術大学大学美術館
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「夏目漱石の美術世界展」ブロガー特別内覧会 東京藝術大学大学美術館
2013/06/08(Sat)20:29
上野 chariot 上野の東京藝術大学大学美術館で開かれている、「夏目漱石の美術世界展」の ブロガー特別内覧会が5月31日の夜にありましたので、行ってきました。 展覧会の会期は7月7日
猫アリーナ
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