松谷武判展 〜流動 Stream

松谷武判(まつたにたけさだ)さんといっても、ご存じない方が多いと思いますが、1966年に渡仏され、パリを拠点にモノクローム作品を手掛けられているアーティストです。
今回の展覧会では、80年代後半以降の作品〜新作10点が展示されています。

接点2009

重ねる2009

挟む2009
新作の中から3点を載せてみましたが、ビニル系接着剤を用いたデロっとした立体感、重厚感が特徴的です。
絵というより、レリーフに近いですね。
白と黒だけのシンプルな作品ですが、その分、形の妙を純粋に楽しむことが出来ました。
といったそばからですが、第二展示室の「発芽」が青い。。
あれっと思ってよく見たら、この作品だけ、青いライティングがしてあるんですね。
何か理由があるんだろうか。と悩みつつ、展示室を出ると松谷さんのパフォーマンスが始まっていた。
上から水を砥石に垂らしつつ、墨をすり続けるというパフォーマンス「流れ 鎌倉 2010」。
場つなぎに何かお喋りでもされるかと思ったら、寡黙な松谷さんは、黙々とひたすら墨をすり続ける。。
周りの観客が、「いやー、久しぶり。お元気?」「なになに、何やってんの?」「ぴろり〜ん(シャッター音)」と喧しい。なんだか、ジョン・ケージの4分33秒を思い出してしまったよ。
松谷さんのパフォーマンスは4分33秒では終わらず、10分近く墨を擦っただろうか、墨の匂いが漂ってきて終了。
これだ。

流れ 鎌倉 2010
ふと見ると、砥石が青く光っていて、びっくり。
え、これも、青いライティングと思ったら、、
青い空が反射していたのでした。いいお天気でしたね、今日は。
パフォーマンスの後は、レセプションに参加させていただきました。(十数年ぶりに学芸員のIさんと再会。いやぁ、懐かしかった。)
ビスメロの演奏をききつつ、軽食をいただきました。
ビスメロってどんなバンド?と思ったら、あれあれ、辻さんに近藤さん。。
ジョングルールの他にも、こんな演奏活動されていたんですね。

鴻池朋子さんの講座「想像力と遊ぶ動物」
ビデオ、スライドを使って、作品制作に際して考えていたことを語ってくださいました。
まずは、やっぱりインタートラベラー展。
単に、壁掛けの絵を鑑賞するのではなく、下を向いて覗き込むような展示方法をとることで、一層、気持ちが入り込みやすくなる、ということでした。

「地球の中心」で出会うアースベイビーですが、赤ん坊とトラベラーは同じ存在、すなわち、「言葉が分からない」「知らない世界で、あらゆることが初めての体験・経験になる」とのことでした。
そして、鉛筆画のアニメーション。
鉛筆画が動くのが面白い!と感じて、初のアニメーション制作に取り掛かったものの、、
1秒あたり15枚、4分50秒の初作品を作るのに要した枚数は、4350枚!
もう、アニメはこりごりと思ったそうです。

でも、その過程でうまれたのが「みみお」
みみおは単なるキャラクターではなく、自分の視点の代わりになる存在として、アニメの中に登場します。
後年、鴻池さんは「何を描いたのか、どういう意味があるのか、は大した問題ではなく、鑑賞者が絵を観たという実感をいかに持てるかが重要なのだ」という思いを強くします。
その際、作者も鑑賞者の立場で絵に対峙することが重要であり、そこにみみおの役割があったというわけです。

鴻池さんは、作品にタイトルをつけるのに苦労されたそうです。
この作品は「第4章」
この前後に、何かあるのではないかと連想させる仕掛けを作りたかったというとでした。
この後、「第3章」「第2章」「第1章」と制作されていますが、実際の制作順が逆だったとははじめて知りました。
そのほか、AXISギャラリーでの「Aランチ」も非常に興味深い試みです。
会場には、椅子とテーブルが並べられ、さながらレストラン。
鑑賞者が座ると、ウエイトレスが作品リストをもってきて「何になさいますか?」
オーダーすると、作品が運ばれてくるというわけです。
これだけでも面白い鑑賞方式ですが、テーブルチャージ300円、1作品の注文に100円がかかり、単なる鑑賞ではなく、「絵を買う」プチコレクター体験をする、という点が独特です。
「観ると買うでは、作品への関係性が変わるのではないか」ということでした。
以上、あまりまとまりないですが、簡単に講座の様子を紹介させていただきました。
聞き間違いなどあるかもしれませんが、あしからず、ご勘弁。
清方のライバル、鰭崎英朋
鰭崎英朋は、明治〜大正時代に活躍した挿絵画家です。
同時代の挿絵画家には、鏑木清方がおり、よきライバル関係にありました。
その後、清方は日本画に活躍の場を移し、日本画家として名を馳せましたが、英朋は生涯、挿絵画家でした。
そのためでしょうか、段々と世間からは忘れられた存在になっていきました。
近年、再評価の動きがあるのは、喜ばしい限り。
だって、鰭崎英朋の美人画、なかなかいいんですよ。
清方にだって、負けていない。
ほら。

「女今川」
そして、この鏡花本の耽美さは、なんともいえず。

「続風流線」
思ったより小さい作品だったので、もっとかぶりつきで見たかったのですが、ガラスがぁ、、
ちょっと遠かったのが、残念。
この絵については、「ミレイのオフィーリアを髣髴とさせる、、」という評をよくききますが、
私は、女性よりも、褌の男性の方が気になる。。
天明屋さんが描いたら、どんな感じになるかな〜
その他にも、いろんな分野の絵を描いています。
なかでも、歌川国芳→月岡芳年→右田年英→鰭崎英朋
という系列ですから、幽霊画はイチオシ。
そのほかも、相撲の挿絵、国定教科書の挿絵なども描いています。
絵本もね。

ルノワール展

国立新美術館の「ルノワール展」、行ってきました。
改めて思ったのは、日本人はルノワールが大好きだってこと。
ルノワールを食い入るように観ている人たちから、「好き好きオーラ」が出ているんですよね。
展示構成は、
第1章 ルノワールへの旅
第2章 身体表現
第3章 花と装飾画
第4章 ファッションとロココの伝統
となっていました。

「アンリオ夫人」
展示室に入ると、「アンリオ夫人」が、にこやかにお出迎え。
分かりづらいと思いますが、ものすごく淡くてふんわりした絵です。

「団扇をもつ若い女」
「団扇をもつ若い女」はいかにも、ジャポニズムな一枚。
団扇はいわずもがなですが、花も、日本の菊かな?

「プージヴァルのダンス」
「プージヴァルのダンス」は、ダンス3部作の中の一枚。(他に、「都会のダンス」「田舎のダンス」がある。)
髭おやじに、腰に手を回されて、嫌がっているようにも見えます(笑)。
さて、次は、第二章「身体表現」。ここは、裸婦の絵が集められています。
小さな子どもが「はだかんぼ!はだかんぼ!」と連呼していたので、「はだかんぼの部屋」と勝手に命名。
ただ、残念ながら、「はだかんぼの部屋」にはあまりピンとくる裸婦像がなかったので、飛ばします。
で、第三章「花と装飾画」

「テレーズ・ベラール」
「テレーズ・ベラール」キター!
これは、参りました。青と白のコントラストが鮮やかに映えてます。
「イレーヌ嬢」に引けをとらない、必見の一枚。
さぁ、次は大阪か。「イレーヌ嬢」が待っている。


